「応用情報技術者試験は2027年からなくなるの?」
「高度試験は再編されるって本当?」
「2026年度からCBT化されるなら、今から勉強しても大丈夫?」
このような疑問を持っている人向けに、IPAが公表している最新情報をもとに、2026年度のCBT化と2027年度以降の試験制度見直しをわかりやすく整理します。
結論から言うと、2026年度から応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験はCBT方式へ移行予定です。さらに、2027年度からは新試験制度へ移行予定で、現在の応用情報技術者試験と高度試験は大括り化され、「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」として再編される方向です。
ただし、今すぐ応用情報の勉強が無駄になるわけではありません。
ネットワーク、データベース、セキュリティ、システム設計、マネジメントなどの基礎知識は、新制度でも引き続き重要になる可能性が高いです。
この記事の結論
項目 | 状態 |
|---|---|
2026年度からCBT方式へ移行 | 公式発表済み |
2026年度は前期・後期で実施予定 | 公式発表済み |
応用情報・高度試験の再編 | 2027年度から新制度へ移行予定 |
応用情報が完全に無価値になる | そのような発表はない |
受験勉強を今やめるべきか | むしろ基礎固めは進めるべき |
IPAは、2026年度の応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験について、従来の春期試験に相当する区分を「前期試験」として2026年11月頃、従来の秋期試験に相当する区分を「後期試験」として2027年2月頃に実施予定としています。
情報処理技術者試験とは?
情報処理技術者試験は、IT・デジタル分野の知識やスキルを評価する国家試験です。実施機関はIPA、つまり独立行政法人 情報処理推進機構です。
代表的な試験区分は以下の通りです。
試験区分 | レベル感 | 主な対象者 |
|---|---|---|
ITパスポート試験 | 入門 | ITを使う社会人・学生 |
情報セキュリティマネジメント試験 | 初級〜中級 | セキュリティ管理を学びたい人 |
基本情報技術者試験 | 初級〜中級 | エンジニア志望者・若手エンジニア |
応用情報技術者試験 | 中級 | 実務経験者・基本情報合格者 |
高度情報処理技術者試験 | 上級 | 専門分野のエンジニア・マネージャ |
情報処理安全確保支援士試験 | 上級・国家資格 | セキュリティ専門人材 |
筆者自身も基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験に合格しており、現在はWebアプリ・スマホアプリ開発に携わっています。実務目線で見ると、応用情報で学ぶネットワーク・DB・セキュリティ・設計・マネジメントの知識は、制度変更後も無駄になりにくい内容です。
【確定情報】2026年度から応用情報・高度試験・SCはCBT方式へ移行
まず、2026年度の大きな変更点はCBT方式への移行です。
IPAは、2026年度の応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験について、CBT方式で実施予定と公表しています。
CBTとは、Computer Based Testingの略で、紙ではなくPCを使って受験する方式です。
CBT化で変わるポイント
CBT化によって、受験者にとっては以下のような変化が見込まれます。
変更点 | 内容 |
|---|---|
解答方法 | 紙ではなくPC画面上で解答 |
会場 | 指定のテストセンターで受験 |
日程 | 従来より柔軟に選びやすくなる可能性 |
試験時期 | 2026年度は前期・後期の実施予定 |
学習方法 | PC画面での問題演習に慣れておく必要あり |
特に注意したいのは、紙の問題用紙に書き込みながら解くスタイルから、PC画面上で問題を読むスタイルに変わる可能性があることです。
そのため、今後は紙の参考書だけでなく、Web問題集やCBT形式の模試にも慣れておくと安心です。
2026年度の試験実施時期
2026年度の実施予定は以下の通りです。
区分 | 実施予定 |
|---|---|
前期試験 | 2026年11月頃 |
後期試験 | 2027年2月頃 |
IPAによると、従来の春期試験で実施していた試験区分を前期試験、従来の秋期試験で実施していた試験区分を後期試験として実施予定です。
ただし、詳細な試験実施期間や申込受付期間は、今後の発表を確認する必要があります。
CBT化で試験範囲や難易度は変わる?
現時点で、2026年度のCBT化によって試験区分そのものが変わるわけではありません。IPAは2026年度のAP・高度・SCについて、試験区分に変更はないと説明しています。
また、情報処理安全確保支援士試験については、CBT方式へ移行しても「試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません」と案内されています。
そのため、2026年度に受験する人は、基本的には現行のシラバス・過去問ベースで学習を進めて問題ありません。
ただし、PC受験になることで、以下のような対策は必要になります。
- 長文問題をPC画面で読む練習
- 選択肢を素早く比較する練習
- CBT形式の模試に慣れる
- 紙にメモできる範囲を事前に確認する
- 時間配分をPC画面上で管理する
特に応用情報の午後問題や高度試験の長文問題では、画面上で情報を整理する力が重要になります。
【2027年度】IPA試験制度はどう変わる?
2027年度からは、情報処理技術者試験と情報処理安全確保支援士試験の制度見直しが予定されています。
IPAは、2027年度から新試験制度へ移行する予定と公表しています。
主な変更点は以下です。
変更内容 | 概要 |
|---|---|
データマネジメント試験(仮称)の新設 | AI活用に必要なデータ整備・管理スキルを評価 |
ITパスポート試験の出題構成変更 | ビジネス、テクノロジ、セキュリティ・倫理へ再整理 |
プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)の新設 | 応用情報・高度試験を大括り化して再編 |
CBT向け出題形式への見直し | 記述式・論述式をCBTに適した形式へ見直し |
経済産業省の発表でも、2027年度の見直し後の試験では、記述式・論述式をCBT方式に適した出題形式へ見直すと説明されています。
応用情報技術者試験はなくなるの?
多くの人が気になっているのは、ここだと思います。
結論として、現在の応用情報技術者試験は、2027年度以降に現在の形のまま残る可能性は低く、プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)へ再編される方向です。
IPAの発表では、現在の応用情報技術者試験と高度試験を大括り化したうえで内容を再編し、「マネジメント領域」「データ・AI領域」「システム領域」の三つの試験区分を設けるとされています。
つまり、「応用情報の考え方や学習内容が完全に消える」というより、応用情報と高度試験の内容が新しい試験体系に再整理されると考えるのが自然です。
高度情報処理技術者試験はどうなる?
高度試験も、現在の区分のまま残るのではなく、応用情報とあわせて再編される予定です。
現在の高度試験には、以下のような区分があります。
- ITストラテジスト試験
- システムアーキテクト試験
- プロジェクトマネージャ試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- データベーススペシャリスト試験
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- ITサービスマネージャ試験
- システム監査技術者試験
2027年度以降は、これらの内容が「マネジメント領域」「データ・AI領域」「システム領域」といった形で再整理される方向です。
新設予定のプロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)とは?
プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)は、現在の応用情報技術者試験と高度試験を大括り化して再編する新しい試験です。
想定されている領域は以下の3つです。
領域 | 想定される内容 |
|---|---|
マネジメント領域 | プロジェクト管理、サービス管理、監査、戦略 |
データ・AI領域 | データマネジメント、AI活用、データ分析 |
システム領域 | システム設計、ネットワーク、インフラ、アーキテクチャ |
従来の「試験区分名ごとに分かれた資格」から、より実務スキルに近い領域別の評価へ変わるイメージです。
なぜIPA試験は再編されるのか?
背景には、AI・クラウド・データ活用・セキュリティなど、IT人材に求められるスキルの変化があります。
従来の試験体系は、ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、プロジェクトマネージャなど、職種・専門領域ごとに分かれていました。
しかし現在のIT実務では、以下のように複数領域をまたぐ力が求められます。
- クラウドを理解したアプリ開発
- セキュリティを意識した設計
- データを活用した業務改善
- AIを前提にしたシステム企画
- 開発と運用をつなぐDevOps的な考え方
そのため、試験制度も「単一の専門分野」だけでなく、より横断的なデジタルスキルを評価する方向へ変わっていくと考えられます。
情報処理安全確保支援士試験はどうなる?
情報処理安全確保支援士試験も、2026年度からCBT方式へ移行予定です。
また、2027年度にはCBT方式に適した出題形式へ見直される予定とされています。
ただし、情報処理安全確保支援士は登録制度を持つ国家資格であり、応用情報や高度試験とは位置づけが少し異なります。
そのため、セキュリティ分野を目指す人は、引き続き有力な資格候補として考えてよいでしょう。
2026年度に応用情報を受けるべき人
以下に当てはまる人は、2026年度の応用情報技術者試験を目指す価値があります。
- 基本情報技術者試験に合格済み
- IT企業で1〜3年目の実務経験がある
- 開発だけでなく設計・DB・ネットワークも学びたい
- 転職や昇格で資格をアピールしたい
- 新制度になる前に現行の応用情報に合格しておきたい
- 高度試験へ進む前の土台を作りたい
特に、基本情報に合格した直後の人は、知識が抜ける前に応用情報へ進むのがおすすめです。
応用情報では、基本情報よりも実務寄りの知識が問われます。アルゴリズムだけでなく、ネットワーク、データベース、セキュリティ、マネジメント、経営戦略なども広く出題されるため、若手エンジニアの基礎固めに向いています。
2027年度まで待ってもよい人
一方で、以下の人は2027年度以降の新制度を見てから受験を検討してもよいでしょう。
- まだITパスポートや基本情報の学習段階
- 応用情報の受験予定が明確に決まっていない
- AI・データ領域に強い関心がある
- 新しい試験区分の内容を見てから選びたい
- 資格取得よりも実務スキル習得を優先したい
ただし、新制度を待つ場合でも、IT基礎の学習を止める必要はありません。
むしろ、以下の分野は今から学んでおいて損がありません。
- 基本情報レベルのコンピュータ基礎
- ネットワーク
- データベース
- セキュリティ
- アルゴリズム
- クラウド基礎
- AI・データ活用の基礎
CBT化後のおすすめ勉強法
CBT化後は、紙の参考書だけでなく、PC画面で問題を解く練習が重要になります。
おすすめの勉強法は以下です。
1. まずは午前問題を安定させる
応用情報では、午前問題の知識が午後問題の土台になります。
まずは以下の分野を優先しましょう。
- セキュリティ
- ネットワーク
- データベース
- システムアーキテクチャ
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- 経営戦略
午前問題で安定して7〜8割取れるようになると、午後対策に入りやすくなります。
2. 午後問題は得意分野を決めて対策する
午後問題は、すべての分野を完璧にするよりも、得意分野を決めて対策する方が効率的です。
開発経験がある人なら、以下の分野が比較的取り組みやすいです。
- 情報セキュリティ
- データベース
- ネットワーク
- システムアーキテクチャ
- プログラミング
- 組込みシステム開発
文系出身やマネジメント寄りの人なら、以下も候補になります。
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム監査
- 経営戦略
3. CBT形式の問題演習に慣れる
2026年度以降はCBT方式へ移行予定のため、PC画面で問題を読む練習も必要です。
紙の参考書で知識を入れた後は、Web問題集やオンライン模試を使って、以下を確認しましょう。
- PC画面で長文を読めるか
- 時間内に解き切れるか
- 選択肢を素早く比較できるか
- 分からない問題を後回しにできるか
- 午前・午後の時間配分を管理できるか
独学が不安な人は、CBT対応の模試や動画講座を使うと、試験形式の変化にも対応しやすくなります。
独学と講座はどちらがよい?
応用情報は独学でも合格を狙える試験です。
ただし、以下に当てはまる人は、講座や模試サービスを使った方が効率的です。
タイプ | おすすめ学習法 |
|---|---|
基本情報から時間が空いている人 | 基礎講座で復習 |
午後問題が苦手な人 | 解説付きの午後対策講座 |
CBTが不安な人 | CBT形式の模試 |
忙しい社会人 | 動画講座+スキマ時間学習 |
独学で挫折しやすい人 | 学習スケジュール付き講座 |
特に午後問題は、解答の根拠を本文から拾う力が必要です。
ただ答えを暗記するだけでは点数が伸びにくいため、解説が丁寧な教材を選ぶのがおすすめです。
受験者タイプ別:今やるべきこと
受験者タイプ | 今やるべきこと |
|---|---|
2026年度に応用情報を受ける人 | 現行シラバス・過去問ベースで対策を始める |
2026年度に高度試験を受ける人 | 専門分野の過去問演習を優先する |
2027年度以降に受ける人 | 新制度情報を確認しつつ、IT基礎を固める |
基本情報をまだ持っていない人 | まず基本情報の合格を目指す |
セキュリティ志望の人 | 情報処理安全確保支援士も候補に入れる |
AI・データ領域に興味がある人 | データマネジメント試験や新制度の情報を追う |
まとめ:制度変更を待つより、今できる基礎固めを始めよう
今回は、2026年度のCBT化と2027年度以降のIPA試験制度見直しについて解説しました。
重要ポイントをまとめます。
- 2026年度から応用情報・高度試験・情報処理安全確保支援士試験はCBT方式へ移行予定
- 2026年度は前期試験が2026年11月頃、後期試験が2027年2月頃に実施予定
- 2027年度から新試験制度へ移行予定
- 応用情報と高度試験は「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」へ再編される方向
- 応用情報の学習内容が無駄になるわけではない
- 2026年度に受験予定の人は、現行制度ベースで学習を進めてよい
- CBT化に備えて、PC画面で問題を解く練習もしておくべき
制度変更があると、「今から勉強して意味があるのか?」と不安になるかもしれません。
しかし、IT資格で問われる基礎知識は、制度が変わってもすぐに不要になるものではありません。
ネットワーク、データベース、セキュリティ、システム設計、マネジメントの知識は、実務でも長く役立ちます。
2026年度に受験する人は、まずは現行の過去問とシラバスをベースに学習を進めましょう。
独学が不安な人は、CBT形式に対応した問題演習や動画講座を活用すると、効率よく対策できます。








